私は住宅を購入した2001年当時、住宅ローン控除が15年(1~6年目は1%、7~12年目は0.75%、13~15年は0.5%)ありましたが、繰り上げ返済を優先しました。
15年も住宅ローンを控除してもらえるなら
15年後に繰り上げたほうがいいんじゃないの?
もったいないよ。
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済すると損をする?
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済してしまったら、住宅ローン控除の恩恵にあずかれない。繰り上げ返済は控除期間がおわってからにするべき。
繰り上げ返済は、早ければ早いほどその効力を増す。しかも繰り上げ返済分は元金に充てられるから返済年数も減ってオトク。
しばしば巷をにぎわずこのやりとり。どちらが正解なのかはケースバイケースです。
当時うちはまだ子供のいない新婚世帯。教育費もいずれ貯めていかねばならないでしょうけど、今は余力があるのでは?
高精度計算サイト で年末残高を計算してみました。
※固定1.9%で借りているので、仮に35年間1.9%として計算。
控除年数 | 年末残高 | 控除額 | 控除●% |
1年目 | 8,327,318 | 83,273 | 1% |
2年目 | 8,151,328 | 81,513 | 1% |
3年目 | 7,971,964 | 79,720 | 1% |
4年目 | 7,782,853 | 77,829 | 1% |
5年目 | 7,590,502 | 75,905 | 1% |
6年目 | 7,415,578 | 74,156 | 1% |
7年目 | 7,236,410 | 54,273 | 0.75% |
8年目 | 7,026,098 | 52,696 | 0.75% |
9年目 | 6,812,663 | 51,095 | 0.75% |
10年目 | 6,596,058 | 49,470 | 0.75% |
11年目 | 6,376,238 | 47,822 | 0.75% |
12年目 | 6,153,154 | 30,766 | 0.75% |
13年目 | 5,926,757 | 29,634 | 0.50% |
14年目 | 5,696,997 | 28,485 | 0.50% |
15年目 | 5,463,824 | 27,319 | 0.50% |
控除額合計 | ¥843,955 |
多少誤差はあるでしょうし、35年間1.9%で借りられる保証はありませんので概算ですが、どうでしょうか?
15年間で84万も控除してもらえるんだ!
こう思える人もいるでしょう。
15年もローンを払って、まだ540万ほども残ってるの?
私は控除総額よりも、15年後の残高の多さにびっくりしました。
15年で310万ほどしか減っていないということは、単純に割ると1年間で20万ちょっとしか返済できていないことになる。
控除額合計をお得ととるか、控除期間終了後の残高の多さに驚くか、この感覚はその時の家庭の状況により変わってくるでしょう。
私の場合は、毎月の返済約8万×12か月=96万返済しているのに、1年目の年末残高でみると18万ちょっとしか元金を返済できていない。80万近く利息を払っているということ?それなら15年間で84万のローン控除額がお得なのかどうかわからなくなるわ、と考えました。
住宅ローン控除期間中に繰り上げ返済してみると
住宅ローンを組んでから3年後に200万繰り上げ返済するほうが得なんじゃないかな?
3年後というのは、このくらいの日数があればムリなく200万貯めることが出来るのではないかという個人的な目安です。
その計算がこちら↓
住宅ローンの返済シミュレーションをしてみよう3年後に200万繰り上げ返済することで、一番大きなメリットは200万がまるまる元金に充てられるということです。
これによって約133万も利息を余分に払わずに済むうえ、120回分(10年)返済期間が縮められる。
利息は元金に対してかかってくるものなので、単純に元金をガンガン減らすとその分支払う利息は少なく済む。
銀行に200万を預けていても、預金の利息なんて知れている。
今は教育費のかかる子供もまだいない。
ならば、早めに繰り上げ返済するに越したことはない。
うちの場合は、このように考えて繰り上げ返済にいそしむことになりました。
子供がいる場合は、ローン控除期間が終わってから繰り上げ返済の方がいい?
- 私立中学に通っている・通わせる予定の子供がいる
- 私立高校に通っている・通わせる予定の子供がいる
- 大学に通っている・通わせる予定の子供がいる
この場合は、ローン控除期間中に教育費が一番かかる時期なので、繰り上げ返済はせず住宅ローン控除の恩恵にあずかりましょう。
受験を見据えて塾通いも盛んになり、夏期・冬期講習代もかさみます。
大学に自宅外から通う場合は一人暮らしのお金もかかります。とにかく教育費優先です。
例えば住宅購入時に子供がいたとして、10~13年後(購入時期によって多少違う)の住宅ローン控除期間終了後に子供が18歳だとしたら、繰り上げ返済をしようと考える時期と大学や専門学校に行く時期が被ることになります。
私立高校も無償化があるとはいえ、それは授業料のみ。積立費や教科書代、タブレット類、制服、備品代などは公立高校よりも高く、指定品が多いです。
教育費のかかる時期にローン控除期間が終わると、そのあとは入学金やら学費やらが優先になって、結局繰り上げ返済ができなくなってしまう。
繰り上げ返済を考えるならば、教育費のピークと被ることは避けたいですね。
完済時の家族の年齢も考慮しよう
繰り上げ返済をするしないを考えるときに、家族の年齢も併せて考えましょう。
うちの場合は、夫29歳、私26歳で家を購入しました。35年ローンなので普通に払い続けるとしたら、完済時に夫は64歳、私は61歳。定年後も働いていかないと住宅ローンが残っている状態になります。
理想は定年までに住宅ローンを完済しておきたい。
そう考えると、少しでも繰り上げ返済をして完済までの年数を縮めるのが得策です。
定年退職したときに、退職金が出るから大丈夫と思っていても、
退職金でローンの残りを全部払おうと思ったけど、
そんなに退職金でないかも。
ということもありえますし、定年まで勤めあげるとも限りません。退職金の出ない会社に転職する場合もあるかも。
今は定年後も再雇用されるかたも多いですが、やはり給料は下がりますし、働き続ける体力があるかどうかもわかりません。65歳まで、いやそれ以上にも働き続けることが推奨されていますが、それは健康であればこそです。
60歳を一つの目安とすると、最長35年のローンの場合、25歳で住宅ローンを組まないと60歳で完済は無理というもの。昨今の初婚年齢が上がっていることを考慮すると、30代、40代で家を購入する方が多いというのが現実的なところかなと思います。
となると、35年のローン契約では60歳を超えてなお、毎月の支払が続くということになります。ちょっと不安になりますね。少しでも返済期間を縮めたくなります。老後資金も貯めていかなければいけませんしね。
完済時に自分はいくつなのか、ということも考えておきましょう。
まとめ
①子どもがまだいない、もしくは小学生くらいまでなら、今が貯め時なので繰り上げ返済して少し返済期間を短くするメリットはある。
②教育費がピークの時には繰り上げ返済はしない。
③定年時に住宅ローンが残らないように返済していく方がよい。